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どうしても話し合いがつかないとき
  〜「オオゴトにはしたくない」なんて言わないで…〜

  遺産分割協議で合意に至れば、それが最も理想的なのですが、なかなかそう上手くはいかない
  ようで……。

  分割協議が調わなかった場合は、家庭裁判所での調停、審判の手続になります。

  実務を生業にしている人間の本音を言いますと……

  一度もめ始めたら、かなり上手く配慮しない限り自力解決は難しいと言わざるを得ません。

  日本人は“裁判所アレルギー”みたいなものがあるようですが、もめ事を解決するためにあるの
  が裁判所ですし、税金を払ってるのですから“お役所”はドンドン利用しましょう。

  調停…裁判所で話し合いましょ…

    相続に関することは、調停、審判のどちらでも申し立てることができるのですが、審判を申し
    立てても「一度は調停を…」と、調停に回されることが多いです。

    調停は調停委員二名と家事審判官一名からなる調停委員会によって進められます。

    申立人と相手方それぞれの意見を聞き調停委員会が調停案を作成してそれぞれに示し双
    方が納得したら調停成立、納得しなければ調停不調または調停の拒否ということになり、
    第三段階である審判の開始ということになります。

    なお調停中でも相続人間で話し合いがつけば、申し立てを取り下げて遺産分割協議成立と
    することができます。

    一応調停でも家庭裁判所は職権で証拠調べをできる事にはなっているのですが、実際に証
    拠調べをすることはあまりなく、当事者からの意見聴取による場合いが多いらしいです。

    ですから当事者としては、できる限りの資料を提出した方がいいでしょうね。

    もし調停を有利に進めたければ、あまり隠し事はしないことです。

  審判…裁判所に決めてもらいましょ…

    審判は、審判官が家事審判法に基づいて審理を進めます。

    民事訴訟とほぼ同様ですが、非公開である点と裁判所が職権で調査するという点で民事訴
    訟と異なります。

    その際、自分に有利になるような証拠は、積極的に提出するべきでしょう。

    審判で決定したものは裁判における確定判決と同じですから、この時点で遺産の分割は決
    着し後は実際の分割作業に入っていくということになります。

    もし、この審判に不服があれば、不服申し立てができますが、不服申し立てがなければ確定
    判決同様強力な力で、遺産分割が可能になります。


  家庭裁判所への過度の期待は禁物

    「審判」というのは一種の裁判のようなものですから、勝ち負けがハッキリするので、申立人
    と相手方はそれぞれある程度納得することができますが、「調停」は審判とは全く別物です。

    「調停」は“家庭裁判所で行う調停委員を仲立ちとした遺産分割協議”といったほうが妥当で
    しょう。

    一種の遺産分割協議である以上、申立人と相手方双方に“互譲の精神”が求められるのはい
    うまでもありません。
 
    また調停委員会は、双方の意見を聞き取り調整や説得はしますが、一方的な押し付けや命令
    はしません。

    調停委員に言っておけば、調停委員が全部丸く治めてくれるだろうと考えるのは、家庭裁判
    所に対する過度の期待です。

    調停委員会は、あくまでも法律に従い、争いある相続人間の調整を図る機関であって、自分
    たちの主張を通してくれる“代理人”ではないのだということを理解してください。

 
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