
北海道行政書士会
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遺言書作成のノウハウ
効果的な遺言書を作るノウハウ
遺言の構成要素を徹底的に考える
〜遺言者の意思を反映させるためのテクニック〜
遺言書は、土台、3つの柱、屋根で構成される一つの建物である、と考えます。
「遺言を残す意思」という土台、「人」「モノ」「分配」という3つの柱、そして、「『何故そういう分配に
するのか?どうしてこういう遺言をのこすのか?』という理由」にあたる合理性という屋根。
効果的で説得力のある遺言、争いを防ぐ遺言を作るためには、この土台、3つの柱、屋根抜きに
は考えられないくらい大切なものなのです。
そして、この三つの要素を確実にすることによって、遺言が持つ力をフル活用できる“効果的で説
得力のある遺言書”が作成できるのです。
「遺言を残す意思」という土台
まずは、「土台」を考えます。
遺言者が「遺言を残す」という確固たる意思を持っていなければ、つまり土台がぐらついたままで
は、有効な遺言書はできません。
※遺言を作るタイミング
遺言は、いつ作るのが最も良いのでしょう。たいていは、「まだ必要ない」などと言いながら、ずっ
と作らずに終わる人が多いのです。
ここでハッキリと、遺言を作る(残す)タイミングを、お教えしましょう。
それは“思い立ったとき”です。
そして、“気力と体力のあるとき”です。
遺言というのは、どうしても今スグ必要なものではありません。
ですから、「ヨシ、作ろう!」というタイミングを逃してしまうと、「まだいいか・・・」という気持ちになっ
てしまいがちなものなのです。
そして、そのままズルズルと・・・。
そんなことにならないためにも、遺言を作ろうと決意したら、即実行に移すことが肝心なのです。
それから、気力と体力についてですが、遺言を作るという作業は結構大変な作業です。
ただ、紙に何かを書くというだけの話ではありません。
まず、誰に財産を贈るのかを考え、資産と負債を整理し誰にどのくらいの財産を贈るのか
の振り分けをします。
このときに微妙な判断しなければならない場合もあります。
ただの書付ではない、強い力を持った法律文書を作ろうとしているのですから、気力と体力
があって、微妙な判断ができるときに作るのが、ベストな選択です。
本当は、ここに「笑って話せるうちに」というのも付け加えるべきなんでしょう。
遺言作成の“3つの柱”
次に「柱」を考えます。
遺言という建物を支える大事な要素です。
1.「人」という柱(参考ページ:相続人を把握する)
誰に対して遺産を残すのか、誰にどうして欲しくて遺言を残すのかを一 番最初に考えましょう。
遺言作成の一つ目の柱は「人」です。
まず、法定相続人を挙げていってください。
次に、法定相続人以外に特別に財産を贈りたいという人を挙げてください。
ここで注意しなければならないのは、被相続人である遺言者に存命中の子がいれば孫(代襲相
続人である孫を除く)や嫁(婿)、両親、兄弟姉妹(甥、姪含む)には相続権がないということです。
そういう人たちに財産を贈りたいというときは、必ず遺言の中に記載するようにしてください。
もちろん親族以外にも、遺言で指定すれば財産を譲ることができます。
お世話になった人や格別の思いがある人などに財産を贈りたいというときも必ず遺言で指定する
ようにしてください。
2.「モノ」という柱(参考ページ:相続の対象になる財産)
「モノ」とは、「財産」の事です。
相続や遺贈の対象になる財産(無論、借金などの債務も含みます)は、「どんな物が」、「どれくら
い」あるのかそしてそれは、金額にして「いくらになるのか」ということを徹底的に把握しなければ
なりません。
いわゆる「形見分け」で済むような、小額の財産ならば構わないのですが、大きな財産を遺言に
入れ忘れると、遺言自体が意味のない、「ただの書き付け」になってしまう恐れがあります。
相続財産を考えるときは、全て金額で考えるようにしてください。
例えば、「土地一箇所」と考えるのではなく「土地 1000万円」という風にです。
相続人は相続財産を量では捉えません。金額で捉えます。
被相続人であるあなたが「たいした財産じゃない」と考えるのは、量で捉えているからです。
その考え方の違いが、相続対策の遅れを招き、ひいては相続争いの発端になっていくのです。
※被相続人と相続人の心理の差
被相続人:「ウチの財産は、土地と建物だけだから、二人で話し合って解決してくれるだろう」
↓
ところが相続人は
↓
相続人:「ウチの財産は、土地と建物合わせて1000万円か。
一人頭500万円だな。土地建物はくれてやってもいいが、500万円の権利は
絶対譲らないぞ」
と考えてしまうのです。
自分の財産の全てを書き出して、金額に直してみましょう。これが、遺言作成の二つ目の柱です。
3.「分配」という柱(参考ページ:相続の問題になるトコロ…)
「人」「モノ」が確定したら、次はそれを「どう分けていくか」を考えます。
考え方はいたってシンプルです。
「誰に」「何を」「どれくらい」これだけなのです。
しかしこれに様々なことが絡んでくるのも事実です。
大きなものは「遺留分」と「(相続人の)実情」でしょう。
いくらシンプルに考えると言っても、この二点を無視した(配慮しない)遺言書は、争いの種になり
ます。
せっかく相続争いがないようにと思って作った遺言書が、新たな紛争の火種になるというのは、悲
しいことです。
「合理性」という屋根
最後に「屋根」の部分を考えます。
前記の“「分配」という柱”を考えるときに、遺留分や実情について考えました。
その考えたことを、遺言書の中に記載するのです。
「こういう理由があるから○○には、これだけの財産を残すのだ」「こういう理由があるから、××
には、これだけしか相続させないのだ」という理由を書かなければなりません。
遺言者自身が“考えて、考えて、考え抜いた末に”出した結論が、この遺言書であるということを
示すのです。
これをしなければ遺言書は、単なる事務文書、法律文書ではない、遺言者の意思を示す“最後の
メッセージに変わってはいかないのです。 |
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